■短話・記憶ノ欠片 [ 銀髪アサシンの独り言 ]


   イズルードから船で渡り、洞窟を進んだ先の青の世界は好きだ。
   そこへ辿り着くまでの合間に魚やら何やらが色々と居るし、着いてからも触手でお出迎えされたりするのが玉に瑕ではあるのだけれど。
   疲れたら潜りに行く。気が済むまでぼんやり歩き回って、それも飽きたら帰る。

   澄んだ青の世界は聖母のように母胎のように。
   時折思う。生まれたのは人の胎。ではそれはいつだったのかと。

   随分長い時間を漂うように生きてきた。一体どれだけ過ごしてきたのか、途中からはもう数えていない。
   そのくらいに長く永く遠い時間。確かにあるのは両手のカタールの重みとこの身だけ。
   そうして時々、私は神殿に向かう。
   青一色の神殿。気が済むまでぼんやりして、それに飽きたら帰る。
   帰ると言える場所がある、その温かさと共に。


▼02 [ 雨と魔法使いと聖職者 ]



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